学問空間 suzukikotaro’s diary

gooブログから引っ越してきました。

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「黙れ兵隊!」について(ザゲィムプレィアさんへのお詫び)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月31日(土)22時31分55秒 岸信介の「黙れ兵隊!」については10月下旬に中断して大川小学校の仙台地裁判決の話に移って以降、ずいぶん間延びしてしまいました。 最後に何か鋭そうなことを言って挽回しようと思って、少しジ…

「小物界の大物」について

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月31日(土)17時33分33秒 井原今朝男氏の『中世の借金事情』(歴史文化ライブラリー、吉川弘文館、2009)については2010年に少し検討したことがあって、結論として筆綾丸さんも私も非常に批判的だったのですが、その理由…

「京方御家人という新しい概念」(井原今朝男氏)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月31日(土)15時47分41秒 >筆綾丸さん井原氏も書かれているように、かつては二条の善光寺訪問記事は虚構だ、などという説もありましたが、実際に行かなければ書けない地方事情を反映しているようなので、訪問自体は事実…

「小川綱志氏の教示を得た」(by 井原今朝男氏)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月29日(木)12時59分5秒 >筆綾丸さんその部分を引用しようと思っていたところでした。ありがとうございます。「辺土分際には過ぎたり」については、私は単に後深草院二条の高飛車で厚かましくてずうずうしい性格の反映か…

「越後平氏」と信濃和田氏の関係

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月29日(木)12時14分53秒 今日になって気づいたのですが、井原氏の「中世善光寺平の災害と開発─開発勢力としての伊勢平氏と越後平氏」は「CiNii」で全文が読めるのですね。 http://ci.nii.ac.jp/naid/120005748273 ただ、…

後深草院二条が滞在した「高岡」の和田石見入道の屋敷

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月28日(水)10時51分7秒 久しぶりに井原今朝男氏の「中世善光寺平の災害と開発─開発勢力としての伊勢平氏と越後平氏」(『国立歴史民族博物館研究報告』96号、2002年)を読み返しているのですが、これは実に優れた論文で…

「我が家は、中世では信濃国和田郷で村の草分け百姓の本家」(by 井原今朝男氏)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月27日(火)10時23分8秒 『室町廷臣社会論』は入手できなかったので、代わりに『中世の国家と天皇・儀礼』(校倉書房、2012)をパラパラめくってみたのですが、井原氏の天皇制への憎悪は今どきの歴史研究者では結構珍しい…

「すでに鬱然たる大家でありながら」(by 桜井英治氏)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月25日(日)12時17分45秒 日本中世史を離れて幾星霜、みたいな当掲示板の現状ではありますが、『贖罪のヨーロッパ』には日本中世史への連想を誘う箇所がけっこう多いですね。修道院の金融活動も、叡山とか臨済系の巨大寺…

ヴァレンティナ・トネアット『神の銀行家』

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月25日(日)10時52分41秒 >筆綾丸さん>修道院の金融活動 一応、知ってはいたのですが、これもずいぶん早くからなんですね。(p122以下)-------- 「修道院の金融活動」というと驚かれるか、訝る向きが多いかもしれない…

「修道士団は基本的に俗人の集団」

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月23日(金)11時40分1秒 大川小学校の件、ズルズルと検討を遅らせているうちに年の瀬になってしまいましたが、既にマニアックな法律の話になっていますので年末年始にやる気分にもなりません。そこで来年、『判例時報』に…

転ばぬ先のコルンバヌス

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月22日(木)11時29分50秒 >筆綾丸さんツイッターで『ロマネスク美術革命』の著者・金沢百枝氏のアカウントにはまってから、同氏のフォロー先を芋づる式に辿っているうちに、いつしか古代・中世美術関係のフォロー先が100…

遍歴修道士と緑の殉教

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月20日(火)10時48分15秒 >筆綾丸さんここ数日、古代オリンピックについて調べていて『贖罪のヨーロッパ』は少し先になりそうですが、パラパラめくっていた際も「緑の殉教」は気になりました。佐藤氏は、------ 六世紀末…

『贖罪のヨーロッパ 中世修道院の祈りと書物』

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月17日(土)12時25分38秒 >筆綾丸さん>秋田犬TBSニュースによればプーチンは旅館の「女将の私物」である秋田犬の箸置きを「持ち帰」ったそうですが、単なるドロボーですね。国際指名手配しなければ。 ------秋田犬の箸…

『浪江町消防団物語 無念』

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月17日(土)11時44分2秒 昨日は高崎市労使会館で行われた『浪江町消防団物語 無念』の自主上映会に行ってみました。 浪江町復興支援員ブログ(群馬)http://namiesiengunma.blog.fc2.com/blog-entry-48.html「無念」公式…

早朝連句

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月16日(金)08時34分15秒 >筆綾丸さん>ふぐ汁の 我活きて居る 寝覚めかな 蕪村 それでは、僭越ながらプーチン大統領に代りて私が付け句をば 遅刻の理由(わけ)は 毒見の手配 ついでに安倍首相に代りて一首 たらちねの …

「わが敬愛する先輩の小川さん」(by 磯田道史氏)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月14日(水)11時26分21秒 磯田道史氏についてブチブチ言ってしまいましたが、磯田氏が同世代の歴史研究者の中では非常に優秀な方であることは暗黙の前提であり、また、私も特に識字率の歴史に関して磯田氏の著書を参考に…

速水融・経済学部名誉教授の「名講義」

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月14日(水)10時12分44秒 速水融氏についてはこの掲示板でも何回か取り上げましたが、若い頃は自らが進むべき方向がなかなか見つからず、三十代半ばでの留学を契機に歴史人口学に目覚めるまではけっこう苦労されたようで…

エマニュエル・トッドと磯田道史氏のほのぼの対談

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月12日(月)10時41分24秒 少し検索してみたら今年6月に『家族システムの起源Ⅰ ユーラシア 上』が刊行されて以降、月本昭男・小浜逸郎・柄谷行人氏等による結構な数の書評が出ていますが、「中切」の訳注が変だと指摘した…

謹告:「中切」のお話は中断させていただきます。

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月 9日(金)10時26分40秒 児玉幸多氏の1940年の論文「飛騨白川村の大家族制度とその経済的基礎」を紹介しつつ検討してきた「中切」の問題ですが、いったんお休みしたいと思います。その主たる理由は私に近世史、特に近世…

大川小学校事件の判決全文

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月 7日(水)21時35分42秒 掲示板投稿を保管しているブログ「学問空間」で、今日は妙に大川小学校関係の記事を閲覧する人が多いなあと思いましたが、「裁判所」サイトの「最近の裁判例─下級裁判例」を見たら仙台地裁10月26…

「新潟は、日本中で最悪の都会だといってよい」(by ブルーノ・タウト)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月 6日(火)10時26分42秒 ブルーノ・タウト(1880-1937)は群馬県高崎市の井上房一郎という実業家の紹介で同市内の少林山達磨寺に住むことになったのですが、井上は私の出身高校である高崎高校にとっても重要な人物で、井…

「彼の巨大な合掌屋根の家はマテダテの遺物」

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月 5日(月)11時34分51秒 >筆綾丸さん前提として、幕府の法制上、分家に当たって高十石地面一町より少なく分与するのは許されなかった、即ち持高二十石以上を所有しなければ分家ができなかった、という制約があったそう…

宝永3年(1706)の「白川郷弐拾壱ヶ村草高寄帳」

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月 4日(日)11時55分1秒 児玉幸多氏は『近世農村社会の研究』の「序」に、------ 第二編には特殊問題を収めた。第二編の「飛騨白川村の大家族制度とその経済的基礎」は、それまでの研究家が、ほとんど資料の採集をしてい…

「検地は、その寛厳の如何に拘らず農民を土地に結付け退くことの出来ぬ線を示すもの」

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月 3日(土)10時20分46秒 「三 白川地方の地域と沿革」に入ると、児玉氏は最初に白川郷の概要に触れた後、次のように述べます。(p207以下)------- この内大家族制の行なわれた地域として有名なのは、尾神から木谷迄の…

飢饉の食物が「第一之粮」

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月 2日(金)21時54分59秒 1909年生まれの児玉幸多氏は長命な方で、亡くなったのは2007年ですから、敬称を付けるべきかどうか、ちょっと迷いますね。研究者の名前に敬称を付けるかどうかは学術的な論文でも人によってそれ…

「殆ど家長の農奴の如き状態」(by 児玉幸多)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月 2日(金)13時05分26秒 児玉幸多の「飛騨白川村の大家族制度とその経済的基礎」を読むと、飛騨地方の山村地域の絶望的な貧しさとその封建的桎梏の苛烈さに読者の心も冷え冷えとしてきますね。この論文の構成は、------…

児玉幸多「飛騨白川村の大家族制度とその経済的基礎」

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月 1日(木)09時52分29秒 >筆綾丸さん昨日、やっと児玉幸多(学習院大学名誉教授・元学長、1909-2007)の『近世農村社会の研究』(吉川弘文館、1953)を入手し、「飛騨白川村の大家族制度とその経済的基礎 附、大家族制…