建武政権における足利尊氏の立場
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月13日(土)10時12分24秒 2月6日の投稿で書いた「松岩寺冬三老僧」については若干の進展があったので、川添氏の見解を紹介した後でまとめるつもりです。「松岩寺」は現在は天龍寺の塔頭となっている「松厳院」の前身で、…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月12日(金)08時33分59秒 尊氏が歌壇の人間関係を政治的に利用した、との発想は森茂暁氏と同じではないか、と言われるかもしれないので、念のために書いておくと、私は歌壇での交流が結果的に尊氏の軍事・政治活動に役立…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月10日(水)11時11分29秒 南北朝期を調べていると、戦争では敵味方がクルクルと入れ替わるなど変化のスピード感がすごくて、何だか奇妙に現代的な社会だなあ、と思うことが多いのですが、歌壇の人間関係など、今のネット…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月 9日(火)12時00分37秒 尊氏の勅撰初入集の歌はまた後で検討するとして、『臨永集』に移ります。「第四章 文保~元弘期(鎌倉最末期)の歌壇」の第十一節「臨永集と松花集」の冒頭から少し引用します。(p316以下)----…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月 8日(月)12時15分55秒 井上氏は前回投降で引用した部分の次に為定の撰集を補佐した二条派関係者、そして撰集の史料として諸臣に下命された「正中百首」について検討されますが、細かな話になるので省略します。次いで…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月 7日(日)12時50分28秒 それでは1月26日の投稿以来、久しぶりに井上宗雄氏『中世歌壇史の研究 南北朝期 改訂新版』(明治書院、1987、初版1965)の検討を行います。下記リンクのうち、一番上が事実上の(その1)で、こ…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月 6日(土)10時46分56秒 清水克行氏は『足利尊氏と関東』(吉川弘文館、2013)において、次のように書かれています。(p40以下)-------尊氏の人間的魅力 足利尊氏が篤く帰依した禅僧、夢窓疎石は、尊氏の人間的な魅力を…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月 5日(金)12時25分10秒 井上宗雄著『中世歌壇史の研究 南北朝期』に戻るべきか、それとも奥州将軍府・鎌倉将軍府をめぐる「逆手取り」論の検討に進むべきか、ちょっと迷っていたのですが、歌人としての尊氏を検討するこ…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月 4日(木)18時13分42秒 2月2日の投稿で、-------吉原説は後続の研究者たちによって基本的に支持され、現在では中先代の乱までは後醍醐と尊氏は決して対立関係にあった訳ではないことが多くの研究者の共通認識となってい…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月 4日(木)11時30分13秒 前回投稿で言及した赤松俊秀氏は1907年生まれなので、佐藤進一氏(1916-2017)より九歳、黒田俊雄氏(1926-93)より十九歳上ですね。以前、京都大学名誉教授・大山喬平氏が黒田俊雄氏から「君ら…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月 3日(水)11時23分28秒 『南北朝の動乱』(中央公論社、1965)に即して佐藤説を長々と紹介してきましたが、なにせ半世紀以上も前の書物ですから、全体的に古くなってしまっているのは仕方ないことです。後醍醐・護良・…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月 2日(火)21時35分47秒 前回投稿で「旧領回復令」について私が書いたのは、後醍醐と護良の人間関係に着目した場合、佐藤進一説には何とも不自然な感じが漂うという印象論ですが、「旧領回復令」そのものの法的性格につ…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 2月 1日(月)11時23分53秒 続きです。(p22以下)------- それでは、この法令は護良の要求にこたえたものかというと、かならずしもそうではない。というのは、当時護良は独断で、すなわちかれ自身の指令で、配下の武士に旧…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月31日(日)12時12分21秒 白根靖大氏は1965年生まれで、学部も院も東北大だそうですから、中央大学という現在の職場が佐藤進一氏の最後の勤務先と一緒であっても、たまたま、ということなのでしょうね。白根氏が佐藤氏の…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月30日(土)10時49分3秒 中央大学教授の白根靖大氏(1965生)は中世前期が専門で、南北朝期はいささか苦手のようですが、それにしても「建武の新政と陸奥将軍府」はあまり感心できないですね。 https://researchmap.jp/re…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月29日(金)21時01分45秒 >筆綾丸さんいえいえ、もっと大きな話なんですね。白根氏は「ところが、その護良は十月に謀叛の疑いで失脚してしまい、尊氏の存在感はさらに増していった。そうした中、顕家は、後醍醐の皇子義…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月29日(金)12時31分18秒 【設問】 下記文章は白根靖大編『東北の中世史3 室町幕府と東北の国人』(吉川弘文館、2015)所収の白根靖大「建武の新政と陸奥将軍府」から引用した。この中に明らかな誤りがあるが、その箇所…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月29日(金)11時29分15秒 後醍醐と護良の関係についてはなかなか難しい議論が多くて、私も今のところ多少の意見を言えるのは征夷大将軍に関することだけです。そして、それも前回投稿で殆ど言い尽くしているのですが、森…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月28日(木)12時28分26秒 続きです。(p202)------- さて、問題としてきたのは、『増鏡』などが護良の将軍宣下を元弘三年六月一三日としていることと、その令旨に即してみればすでに同年五月一〇日付のものに「依 将軍宮…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月27日(水)22時03分41秒 第二節から第四節までにも興味深い指摘が多いのですが、護良が正式に征夷大将軍に任じられる前に「将軍家」を「自称」していたか否か、に関係する部分に焦点を絞りたいと思います。ということで…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月27日(水)18時18分26秒 ということで、小川信編『中世古文書の世界』(吉川弘文館、1991)所収の森茂暁氏の論文、「大塔宮護良親王令旨について」を少し検討してみます。小川信氏の「序」によれば、------- 本書は中世…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月27日(水)11時57分55秒 『中世歌壇史の研究 南北朝期』の検討の途中ですが、護良親王について少し補足しておきます。1月23日の投稿で、私は細川重男氏の「むしろ幕府を開く可能性は、源氏の足利尊氏よりも、皇族の護良…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月26日(火)21時31分22秒 続きです。(p369)------- 新設の武者所には武家家人が多かった。建武年間期の「武者所結番事」は延元元年四月のものではあるが、ここにみえる武士にも、長沼秀行(続千載以下)、小串秀信(風…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月26日(火)12時01分37秒 井上宗雄氏『中世歌壇史の研究 南北朝期』の紹介を三回ほど続けてきましたが、タイトルがバラバラだと後で検索・参照するときに不便なので、今回から書名を入れることにします。ということで、建…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月25日(月)11時26分54秒 『中世歌壇史の研究 南北朝期』の続きです。(p367)------- あけて元弘四年正月二十三日恒良親王を東宮とし、道平が傅となった。これを、先に光厳天皇が康仁を東宮とし、後に光明天皇が成良を東…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月24日(日)22時46分45秒 『中世歌壇史の研究 南北朝期』の続きです。(p366以下)------- この間、新政府の為すべき事は頗る多く、雑訴決断所、次いで記録所・侍所・武者所などが次々に設けられた。十二月十七日には珣子…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月24日(日)13時28分20秒 それでは歌人としての足利尊氏について、国文学の研究を少しずつ紹介して行きます。この問題の先行研究で一番重要なのは立教大学名誉教授・井上宗雄氏の『中世歌壇史の研究 南北朝期 改訂新版』…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月23日(土)15時26分19秒 歌人としての尊氏を紹介する前に、何だか色々ともったいを付けているような投稿が続きましたが、今回で終わりにします。さて、細川重男氏の論考で私が一番気になったのは護良親王に関する記述で…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月23日(土)12時21分12秒 南北朝期の研究も佐藤進一氏(1916-2017)や永原慶二氏(1922-2004)の世代からは相当に様変わりしていて、中先代の乱が勃発するまでの後醍醐と尊氏の関係はそれほど悪くはなかった、という見方…
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2021年 1月22日(金)13時17分42秒 細川重男氏は尊氏を「支離滅裂」と評されますが、別に佐藤進一氏のように、尊氏が精神的な疾患を患っていた、などと断じている訳ではないですね。細川氏は清水克行氏の「八方美人で投げ出し屋」…