学問空間 suzukikotaro’s diary

gooブログから引っ越してきました。

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

吉河光貞についてのメモ(その2)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月30日(火)08時49分32秒 戦前の治安維持法制研究の第一人者、荻野富士夫氏(小樽商科大学教授)の『思想検事』(岩波新書、2000)を見たら、吉河光貞の名前は3箇所に出てきましたが、いずれも最後の章「Ⅴ 公安検察への道…

吉河光貞についてのメモ(その1)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月28日(日)07時12分54秒 23日の投稿で吉河光貞について少し触れましたが、ちょっと気になって三国一朗が吉河をインタビューした記事、「国際諜報団『ゾルゲ・尾崎事件』」(『昭和史探訪3』、番町書房、1975、p151以下…

♪冷蔵庫のなかで凍りかけた憲法を

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月27日(土)10時56分41秒 暖めなおしたいのに♪ 竹内まりや「家に帰ろう」http://j-lyric.net/artist/a00503e/l006c1f.html 呉座勇一氏のアカウント、貴重な情報源として時々覗いているのですが、昨日は玉井克哉氏(東大先…

「立憲主義」の用例と頻度(その4-完)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月26日(金)13時00分42秒 始めたのを若干後悔しつつ、1996-2000年の5年間69件を見ると、傾向としては1986-1995年の10年間45件と同様で、この時期までは執筆者は憲法学者に限られており、媒体もほぼ法律雑誌に限定されます…

「立憲主義」の用例と頻度(その3)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月26日(金)11時50分29秒 だんだん疲れてきたので、以下は少し手を抜いて著者・タイトルの全紹介はやめます。さて、1966-1975年の23件を見ると、この時期の最大の出来事は樋口陽一著『近代立憲主義と現代国家』(勁草書房…

「立憲主義」の用例と頻度(その2)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月26日(金)10時41分1秒 もう少し具体的に用例を見てみると、まず戦前の4件は、 森口繁治『立憲主義と議会政治』(大阪毎日新聞ほか、大正13)塚本堅太郎『一乗立憲主義の概念』(一乗立憲会本部、昭和7)宮沢俊義・田中…

「立憲主義」の用例と頻度(その1)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月26日(金)09時47分29秒 2012年5月、自民党の礒崎陽輔参議院議員(1957年生まれ、東大法卒、自治省→総務省、憲法改正推進本部事務局長)が、「立憲主義」なんて言葉は憲法の講義では聞いていない、とツイートしてツイッ…

「芦部さんは、荷造りの名手であった」(by 松尾浩也)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月25日(木)08時28分33秒 石川健治氏の論文を探して『法学教室』(有斐閣)のバックナンバーを繰っていたところ、松尾浩也氏の「芦部信喜先輩の想い出」というエッセイに出会って、ついつい読み耽ってしまいました。(230…

マジックワードとしての「立憲主義」

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月24日(水)07時34分8秒 石川健治氏の「「京城」の清宮四郎─『外地法序説』への道」(酒井哲哉・松田利彦編『帝国日本と植民地大学』所収、ゆまに書房、2014)という論文を読んでみたところ、「豊かな響きをもつマジック…

砂川事件判決の核心に迫らない批評

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月23日(火)08時37分37秒 >筆綾丸さん>野村佐太男名古屋高検検事長で退官し、ロッキード事件の丸紅弁護団団長だったそうですね。「検察官 清原邦一 村上朝一 井本台吉 吉河光貞」も味わい深いメンバーで、清原邦一(189…

田中耕太郎の改宗

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月22日(月)09時59分31秒 >筆綾丸さん私も別に黒田俊雄氏に義理立てしなければならない立場ではありませんが、昔はある程度熱心に読んだので、ついついムキになってしまいました。でもまあ、去年、黒田氏が三十代半ばに…

ひろゆきや 芦部は遠く なりにけり (その2)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月21日(日)09時26分55秒 ここ数日、『公法研究』『国家学会雑誌』『ジュリスト』『法律時報』『法学教室』等のバックナンバーを当たって石川健治氏の論文をコピーし、集中的に読んでいるのですが、どれも面白いですね。…

ラウンド君の教訓

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月20日(土)08時48分56秒 >筆綾丸さん感じの悪い書き方だと思いますが、黒田俊雄云々の部分は私としても一言言わざるをえない内容でした。仏教について特に研究したとも思われない久野・鶴見氏に黒田俊雄氏が影響される…

久野収・鶴見俊輔について

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月19日(金)09時33分52秒 >筆綾丸さんご引用の「顕教と密教」論は1950年代の市民運動の中では多少の政治的意味があったのかもしれませんが、学問的には洗練されたものではないですね。論者によれば「顕教とは、天皇を無…

「マグナ・カルタ神話の創造」(その2)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月17日(水)07時44分51秒 長大な論文ですが、最後の方に要領良くまとめられている箇所があるので引用してみます。-------六 むすびにかえて─クックによるマグナ・カルタ神話の創造 前節までで我々は、一二一五年に生れた…

「マグナ・カルタ神話の創造」

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月17日(水)06時49分39秒 >筆綾丸さん先日、某大学図書館で『イングランド法の形成と近代的変容』(小山貞夫著、創文社、1983)という本がリサイクル書扱いされていたので、もったいないなと思って持ち帰ったのですが、…

清宮四郎「天皇機関説事件のころ」

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月15日(月)10時48分40秒 石川健治氏のエッセイ、「あえて霞を喰らう」(『法律時報』2013年7月号)冒頭に次のような記述があります。------- 毎日新聞でコラム「風知草」を連載されている山田孝男編集委員の話では、この…

四番目の89年

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月15日(月)09時37分45秒 >筆綾丸さん>四つの’89年(Les quatre "Quatre-vingt-neuf")」『自由と国家』は手元にないので参照できないのですが、J=P・シュヴェヌマン・樋口陽一・三浦信孝著『<共和国>はグローバル化…

「果たして清沢の批判に耐え得るか」(by 石川健治)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月13日(土)09時05分1秒 「立憲デモクラシーの会」の石川健治氏の名前で検索したら、石川氏は朝日新聞の書評で東大法学部の同僚だった北岡伸一氏の『清沢洌』を推薦しつつ、北岡氏にネチネチと嫌味を言っておられますね。…

「立憲デモクラシーの会」(その2)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月12日(金)10時05分49秒 「立憲デモクラシーの会」の「呼びかけ人」を見ると、「共同代表」の奥平康弘氏は今年1月に亡くなられてしまいましたね。「東京大学名誉教授・憲法学」といっても社会科学研究所の方ですが。法学…

「立憲デモクラシーの会」

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月11日(木)09時26分56秒 >筆綾丸さん樋口陽一氏も長谷部恭男氏も基礎理論的なところはすごいなあと思いますが、集団的自衛権否定の論拠、特に立憲主義との関係をどのように考えるかが分かりにくい感じがして、ちょっと…

「客観的な現象として神話というものの重要性はあるのです」(by 樋口陽一)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月10日(水)07時50分56秒 >筆綾丸さん『論究ジュリスト』2015年春号の鼎談では、先に引用した部分の後に樋口氏が長谷部・南野氏間のやりとりを全く無視し、話題を元に戻して次のように言われています。-------樋口 神話…

「いっぱし」 の憲法学者

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月 8日(月)22時46分25秒 >筆綾丸さんなるほど、「いったん」ではなくて「いっぱし」ですか。一度思い込んでしまうとなかなか抜け出せないですね。 南野森氏の論文、というかエッセイ的なものをいくつか読んでみましたが…

「長谷部先生は、世の中の上澄みの部分を見ておられる」(by 南野森)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月 8日(月)09時52分3秒 『論究ジュリスト』2015年春号(有斐閣)の「特集 憲法の状況」に長谷部恭男・樋口陽一・南野森氏の「鼎談 いま考える『憲法』」が載っていますが、そこに次のようなやり取りがあります。(p9以…

「是非ご教示賜りたい」(by 南野森)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月 8日(月)07時07分40秒 先の弁護士ドットコムの記事の中に、-------菅義偉官房長官は同日夕方の記者会見で火消しに動き、「全く違憲でないという著名な憲法学者もたくさんいる」と断言した。一方で、憲法学者の南野森・…

<憲法学者の中でも「個性的」な人物>(by 弁護士ドットコム)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月 7日(日)15時09分30秒 >筆綾丸さん>春子さんと秋子さんまあ、名前がお見合いのきっかけになった程度の話ではないですかね。家庭裁判所での改名手続きは非訟事件ですが、多くの判断の例を整理すると--------正当な事…

「就職目当ての論文が多すぎるのではないか」(by 犬丸義一)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月 5日(金)07時45分17秒 前にも書きましたが、歴史学研究会はそもそも「学者の集団」ですらなく、単なる雑誌購読者の集合体ですね。「入会案内」によれば「会員種別にはA会員:会費10,700円(会誌・月報・大会増刊号含…

渡邉一族の四季

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月 3日(水)23時49分40秒 16団体声明のようなニュースを聞くと、ネット界隈では、主導した歴史学研究会は左翼の集まり、まるくす主義者の集団だあ、みたいなことを言う人も多いですね。例えば池田信夫氏は、-------歴史学…

「アンパニウスかく語りき」(by 渡辺慧)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月 2日(火)10時21分31秒 >筆綾丸さん>御茶ノ水駅近くにあったある立派な邸宅これは多分『移りゆくものの影 一インテリの歩み』(文藝春秋新社、1960)に出ていたはずなので、去年、図書館でコピーしたものを見てみまし…